自閉症の育児方法

発達障害の子どもを怒らない子育ての方法【将来の二次障害の防止】にもなります

2021年1月27日

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このような悩みを持ったことはありませんか?

悩む人
「自閉症の子供を怒りたくないけど怒ってしまう」
「褒めろと言われても自閉症の子どもに褒めるところがない」
「褒め方がわからない・・・

頭ではわかっていても、発達障害の子供を育てている親にはとても難しいですよね。

 

「怒る→子どもがパニック→さらにイライラが加速

という悪循環のマイナスループに気づくとハマってしまったことがあります。

 

自閉症や発達障害の子どもはなるべく怒ることをしないで育ててあげたいものです。

 

理由はTwitterをみてください。👇

自閉症の子どもは記憶の特性があります。

その特性によって「怒られた経験」は定型発達の私たちよりも記憶として残りやすいのです。

 

自閉症の育児でが「失敗から学ばせる」というよりも成功するように導くのが大切です。

【参考】自閉症は失敗から学べないので最初から【成功体験】で育児しよう!

 

自閉症の子どもが感じる「わかってもらえない」気持ちが、二次障害になりやすくなってしまいます

 

発達障害の二次障害は防げます~子どもを理解する~

子どもが怒られる経験が少なくなれば、二次障害の確率もぐっと下がります。

そのために私たち親は、できることをしていきましょう。

自閉症の育児【怒らない】発達障害の子育ての方法

発達障害の子供が「怒られないことをしている時」に褒める

結論からいうと自閉症の子供を「怒るループ」に入ってしまっている場合、することは一つです。

まず視点を変えることです。

悩む人
問題行動をしている子供に褒めるところなんて見つからないのでは・・?

筆者も昔はそう思っていました。

 

しかし、12年間自閉症の親をやってきて「怒ってしまうときの自分の視点が違う」ことに気づきました。

自閉症の子供を怒ってしまう場合は視点を変えよう

怒る人(褒めるところが見つからない人)の視点は以下のようになっています。

  • 褒める=プラスのことをしたとき
  • 怒る=マイナスのことをしたとき

自分でも気づかないうちに、あなたは「いいことをしたとき=褒める」「発達障害の子供がいいことをすることが滅多にない=褒めれない」となっているかもしれないのです。

 

ぴょん
褒めるのは「いいことをしたとき」
という加点方式なんだね。

 

それをこのように変えてみます。

✅問題となっている行動がでてないとき=褒める

発達障害の子供が怒られる行動をしていないことを褒めるのです。

 

 

自閉症の子供の状態をほめていくような感じです。

走り回ってしまう子供の場合でも、歩いているときはあるはずです。

そういうときに

ぴょん
静かに歩けているね!

こんな感じで褒めます。

 

  • 歩けているときに「今日は走らないで歩けていて偉いね」とほめる
  • 走っているときに子供に注意や叱っていたのを
     無視する

発達障害の子供が怒られるようなことをしているときにあなたが叱っていたのを我慢して無視することと、走っていないときに褒めることなるべく同時進行で行ってください。

 

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発達障害の子供はお母さんが怒ることは「注目」というご褒美になってしまうことがある

悩む人
なんで同時じゃないと意味がないの?

この手法は「代替行動分化強化(DRI)」というABA(応用行動分析学)の理論に基づいたやり方だからです。
自閉症の子供では、怒られることが大好きなお母さんから注目してくれる嬉しいご褒美タイムになってしまうことがあります。

特にADHD気質の子どもは親が怒ってあわてふためいて自分を注意する大人が楽しくて楽しくてしょうがないことがあります。

 

自閉症の子どもは「相手が怒っている」という気持ちを理解することも難しいため、「怒っている様子」という反応があることを強いご褒美と感じることがあるのです。

自閉症の子どもが注目されることが「好子」になると「強化されます」

✅お母さんが自分の方に注目してくれる(怒られてる自分が嬉しい)
✅お母さんが怒っている姿が面白い(人が怒っているのが楽しい)

 

上のように、親の反応がご褒美になってしまうと、それは強化されてしまいます。

 

悩む人
ええぇ!怒られることが「ご褒美」になるの?

 

はい。

その人にとっての「ご褒美になる行動」をABAでは「好子」と呼びます。

(正確には行動が強化されるものを呼びます。)

これをABAでは「行動の誤学習」といいます。

自閉症のパニックやかんしゃく・問題行動には、「注目」「回避」「要求」の要素によって、問題行動を手段として間違って学習してしまうことが多いのです。

発達障害の子供の誤学習の実例を放課後デイサービスで説明してもらった

筆者が習っている発達障害の療育で「パニックになると大人の腹をすごい勢いで殴りつける子供」がいました。

筆者はその子供をみていたときのことです。

 

そのとき、療育のK先生はボコボコに殴られながらも、冷静に親に説明をしてくれました。

K先生

本人もしたくてしてるわけじゃないんだよね。

今までの経験のなかで間違って学習してしまったんでしょうね

この場合は、パニックになって暴れると周りが言うことをきいたり、嫌なことをしなくても済んだという経験があったのかもしれません。

 

パニックになることで「〇〇くんは課題しなくていいよ」という結果(状況)を発達障害の子供が経験するとします。

そうすると、「イヤなことがあったとき=暴れる=結果、イヤなことをしなくて済んだ」ということを「誤学習」みたいな感じです。

 

誤学習した結果、子供は「やりたくないこと・嫌なこと」があったら「暴れればいいんだ」と学んで、それが強化されてしまうのです。

(参考書籍:行動分析学入門、産業図書、島宗理著)

発達障害の子どものパニックは基本、反応しないのが第一選択肢

親はして欲しくないことをしていないときに褒めるのと同時に子供の問題行動に何も反応しないようにすることも効果的です。

 

✔これを行動学習理論では「消去学習」と呼びます。

 

 

ABAという療育方法の中に出てくる概念です。

 

 

ABAは、説明するとても長くなってしまうので、興味のある方は本などで勉強することをオススメします。

 

発達障害の子供の怒らない育児「問題行動の代わりとなる行動」を教える

悩む人

でも、自閉症の子どもが
走り回ったりしているときなどの問題行動のとき叱らないってことでしょう?

親は子供を注意しないで放っておくってことだよね。

そうしたら、ただ子供のしつけをしない親にならないの?

 

周りの目からみたらそう映ることもあります。

 

しかし「親のあなたが躾ができる親に見える(うつること)」が子育てではありません。

子どもに社会的に正しい行動を教えることが大事なのであって、怒ることで「正しい行動を教えること」はできません。

 

むしろ、自閉症の子供に大きい声で叱ったとしても、パニックになりやすくなるだけです。

 

ですので、発達障害の子供がまず問題行動をしていないときにまず褒めるのがいいのです。

そして同時に問題行動で子供が得られていた機能を消去しながら、適切な行動の方を強化します。

 

親のあなたが、次にすることは「代わりの行動・何ならしてもいいのか?それはいつならできるのか?教えること」です

この「代わりの行動・場所・時間」を教えずに、ただ怒ったり注意をしても発達障害の子供には「どうしたらいいの?」と混乱してしまうことがあります。

 

例えば、走り回っている子供を例にしてみます。

走っちゃだめ・どうしてそんなことするの?!と禁止系だけで伝えるのではなく、代わりに歩こうね、座っていようねと「代わりの行動」を肯定的に伝えましょう。

怒らないで絵字カードで代わりの行動(適切な行動)を伝える

人の脳は「我慢する・しないようにしよう」という否定形のメッセージを実行するのは、とても難しいものです。

ダイエットでも、「ケーキを我慢しよう」(禁止)と思うよりも「代わりにりんごを食べよう」と考えたほうがダイエットの成功率は高まります。

代わりの行動がとれないときは「それがいつならできるのか?どういう場所ならばやってもいいのか?」を具体的に教えます。

絵で考えるとわかりやすいと思います。

代わりの「もの」を提示した例です。
これも親はできるようであれば、言葉ではなく視覚からの指示が効果的です。
なぜならば、自分の行動に夢中になっているとき、子供は声をきいていないことが多いです。
それに自閉症では目で見ることは苦手なことがありますが、目で理解することは得意といわれています。

そのため、紙に「いつ・どこで・何ならOK」などの視覚的に見えるものを子供の視界にいれてあげるといいのです。

ですが、これも前準備があります。

子供が「話をきける体制(心の準備)」ができていないといけません。

指示をきくための段階の前に親ができることは以下です。
✅「注目ができる状態か?」
✅「感情をクールダウンさせてあるか?」

 

こちらも支援するときに常に意識しましょう。

自閉症の子供を怒らないためにできること「親がその場から離れる」

怒りそうだったら親もタイムアウトをとってクールダウンをする

上に書いた方法ができないようであれば、お子さんからいったん離れましょう。

私は、トイレに鍵をかけてとじこもったりします。

 

逃げる・離れる・関わらないのが1番です。

 

【参考】自閉症の育児【休日の過ごし方】もう1日目から辛い対処法【親側の対策編】

 

自閉症の子どもと離れることは「怒りの冷静な対処法」である

人は、感情的になったとき、感情にかられた行動と理性を働かせた「反対の行動」の2種類の行動を選択することができます。

怒りという感情的な行動は「攻撃する・批判する・傷つける・叫ぶ」です。

この怒ってしまうという感情にかられたふるまいをすることで、あなたに起きるデメリットは「怒りの感情が強くなっていくこと」(強化)です。

 

感情にかられたふるまい(行動)をすると「その感情はさらに強まる」のです。

まずは冷静になって子供から距離を置きましょう。

 

繰り返しますが、怒ることでは自閉症の子供にしつけを教えることは賢い方法ではありません。

怒ることでは何も変わらないのです。

 

怒鳴り声というのは、基本的にはただの音だからです。

何よりも自閉症の子供は、怒鳴り声によって「その場で理解できて行動を改める」ことはできないことが多いです。

 

あるいは言葉の意味が理解できても恐怖を感じたり「お母さんは僕・私のことが嫌いだから怒鳴るんだ」「僕・私はだめな子なんだ」と解釈してしまう恐れもあります。

怒ることのメリットは親子ともにまったくありません。

Bad

ずっと行動を叱り続ける
パニックを止めさせようとする

 

Good

その場から離れて冷静になる時間を親から持つ

発達障害には怒らない子育てで無理のない生活をしようまとめ

発達障害の子供の怒らない育児が難しいのは、親もほかに怒る方法(手段)を知らないからです。

ですが、やはり親子で怒って泣いてばかりの子育てはとても辛いですよね。

 

親も「怒る代わりの行動を知ること」で、今日からすぐにでも「怒る代わりの方法」を試すことができます。

そして、代わりの行動はあなたとお子さんの未来を確実に変えてくれます。

 

思ったときが変わるチャンスです。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

 

 

皆さんの参考になれば嬉しいです。

(^o^)/

 




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  • この記事を書いた人

ぴょん

はじめまして。ぴょんです。 中2自閉症男の子の母親。 支援や療育の記事だけを別のブログに引っ越しました。 サイトはこちら 発達障害の療育の勉強をしながら、自閉症の親として成長していく体験レビュー型ブログを目指しています。 そのほか、自閉症やADHDの子育てで気づいたことの情報発信もしています。 よろしくお願いします。

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