自閉症の接し方

自閉症は失敗から学べないので最初から【成功体験】で育児しよう!

2022年6月10日

ぴょん
こんにちは。 高機能自閉症の子供を育てているぴょんです。

 

悩む人
「自閉症の子って失敗から学ばないからいくら怒ってもムダ!!

どうしたらいいの?」

 

私もそんなことを考えたことがあります。

 

 

「うちの子は、やる気が見られない。」

「もっと厳しく育てたほうがいいのかな?」

 

こういう風に思ったことも何度もあります。

 

確かに失敗をたくさん経験したり、辛い練習や努力を重ねてできるようになっていくというのはとても大事なことです。

 

しかし、失敗から学んでいくスタイルは自閉症の子どもにあっていないとわかりました。

 

理由は以下です。

 

  • 失敗が長期記憶の特性でフラッシュバックしたり、自己否定の原因になるから
  • 嫌な失敗体験をいいできごととして意味づけを変えるのが自閉症には難しいから

 

 

今回は、発達障害の子供の育て方の基本である成功体験について解説したいと思います。

 

 

自閉症に教えるときは「はじめ」から成功体験で教えるのが大事な理由

自閉症の子供は長期記憶が優れているから失敗体験はパニックの元!

自閉症の子どもは長期記憶がとてもいいです。

長期記憶とは、「名前」や「住所」のように私たちが長く覚えている記憶のことです。

 

ぴょん
長期記憶がいいということは忘れることができないということでもあります。

 

自閉症では一度経験した嫌な記憶が長期記憶になりやすいという特性があります。

自閉症では「嫌な体験の記憶」(失敗など)が長期記憶になりやすい。
「うまくいった記憶」も長期記憶になりやすい。

本来、嫌な記憶は失敗をしないためにある

人の脳は成功したことよりも、失敗を覚えるようにできています。

生きるうえで成功したことを覚えておく必要はないからです。

 

失敗したこと、つまり嫌な記憶を覚えておくことは「同じ失敗を繰り返さずに済む」ようにするための危機回避能力なのです。

 

落とし穴に落ちたり、森でクマに襲われかけたというような「嫌な記憶」をすぐに忘れてしまっては、次回から気をつけたり避けることができません。

 

このように人はネガティブな体験を強く脳に刻むようにできています。

 

人の脳はネガティブな体験を強く覚えるようにできている

自閉症の場合、「努力や辛い経験」やは「嫌な記憶」として残ってしまう

前述のように自閉症は「長期記憶」が優れています。

 

ですから、辛い経験や怒られた経験、失敗した経験にまつわる感情的な記憶などを忘れることができにくいでです。

 

私たち定型発達では、辛かった経験などを思い出したり訓練を乗り越えれば、あとからあれもよい経験だったと記憶への意味付けをあとから塗り替えることができます。

ですが、自閉症では「1つのいやな体験」の記憶がフラッシュバックしたりすることがあります。

 

そのあと、いいできごとが起きていたとしても、記憶がバラバラに何かのきっかけで「引き出されてしまう」ことがあるのです。

 

 

ぴょん
できごとの事実だけをあとから意味を変えるというのはとても高度な脳の処理が必要です。

 

ですが、自閉症では高度な脳である前頭前野の働きに脆弱性があります。

 

嫌な辛い記憶を忘れることができないとしたら、わざと失敗を経験させながら努力を続けさせるという教育方法は自閉症の人達にとってとても辛いものになってしまいます。

 

 

これは記憶の処理が私たちと違うためにおきてくるのです。

 

(*記憶には個人差があります)

 

ですから、自閉症では失敗から学べる脳の状態ではなくて当たり前なのです。

 

失敗体験から学べない脳の構造であることを知ろう

自閉症の育児の基本は「成功体験を積ませる」ことです

人は辛い経験(記憶)を積むだけではできるようにはならない

 

悩む人
自閉症の子どもに何事も経験させて、その中から学ばせる、ということは無理があるんだね。

 

そうなのです。

失敗してもどれの何がよくなかったのか?を理解して次に適切な行動をとれなければ失敗する意味がありません。

 

ただのいやな記憶としてトラウマ化してしまうだけなのです。

自閉症は失敗から学ぶのではなく失敗体験がトラウマになってしまう

「大きな声で怒鳴られる」ということは、自閉症の子供にとってどのような体験なのでしょうか。

想像してみます。

 

真っ暗闇の中でどうしたらいいのかわからず必死で見えるものを探していたら。

 

突然わけもわからずに「怒鳴られる」という恐怖の体験ではないかと思います。

 

自閉症の人たちが見ている世界と私たちが見ている(認識・知覚している)世界は違うのです。

 

不安に満ちていてどうしたらいいのかわからない世界。

言葉は聞こえていても、時々スローモーションになったり、声だけが遅れて脳内で再生されたりする。

 

時々耳をつんざくような音の洪水が押し寄せてくる。

 

あるいは、プールで背泳ぎしているときに、外の世界の音がなんとなくぼんやりと聞こえる。

ちょっと自分とは遠い世界。

 

色々想像できますけど、知覚処理が変になったときというのは想像を絶します。

私は元パニック障害ですから、知覚異常が出たり映像思考しかできなくなった時期が3週間あります。

 

想像を絶しますよ、知覚処理がおかしくなるというのはとてもつらいです。

3週間だけだったのにとてもつらかったです。

 

世界の知覚がうまくいかないのですから。

 

エレベーターに乗っているように地面が揺れてうずくまって「ぐわんぐわん」なるし、蛍光灯を見れば世界が青いネガフィルムに焼き付けたように、フラッシングして卒倒しそうになります。

 

遠近感やモノの大きさなんて、簡単に変わります。

 

こんな世界で耐えてどうしたらいいのかおぼろげながら、頑張っているのに「いきなり怒られたら」パニックにもなります。

自閉症は体験世界があなたと違うことを理解しよう

自閉症への「手がかり」は暗闇に浮かぶ星の光をつなぐようなものです

混沌とする自閉症の人の世界に、手がかりを用意してあげてください。

あなたは、暗闇で何万もある星の中でどれどどれがどのようなつながりをもっていて、その意味を持っているか見出せますか。

 

私たちは、星座に線をつないで「ある形に名前をつけて」その意味までも知ることができます。

 

それを「この世の中のすべての情報(視覚・聴覚・触覚・言語・味覚)」でできているのです。

 

しかし、真っ暗闇の宇宙空間にいたら、それもできない。恐怖しかないでしょう。

 

でも、区分をして、つなげて、文字と意味を与えることで、私たちはその星空の世界を「無」の世界から「意味のある星空」へと変えることができますね

 

イメージでいうと、私が考える自閉症の支援って宇宙で泣いている子どもを「星座早見表」が見れる位置まで、導いてあげるイメージ。

 

 

星を見て

怒る女性
「どうしてできないの?どうして星座がわからいなの?みんな(つながりの線が見えるのになんで見えないの?」

 

と言われても見えないものはわかりませんよね。

ということで、自閉症には成功体験を積むことを意識して育てよう

ということで、自閉症でははじめからハードルを下げて成功体験をさせるようにしましょう。

ぴょん
長期記憶が優れているということは、正しい方法を忘れないという長所でもあるよ

 

ココがダメ

・失敗の中から手探りで学ばせようとする
・できるまで努力させる
・ヒントや手がかりをあげない

 

ココがおすすめ

・特性に配慮して「見える」「形や意味がわかる」サポートをする
・できたことは少しでも評価する
・発達や成長を急ぎすぎない

まとめ

自閉症の子供は記憶の特性で辛い経験を忘れられないことがあります。

なるべくはじめから成功体験を積んでもらうことで「自分もできる」と安心して自己肯定感も低くならずに生活できると思います。

 

自閉症の育児をしている皆様の参考になれば幸いです。

 

最後までよんでいただきましてありがとうございます。

 

 




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ぴょん

はじめまして。ぴょんです。 中2自閉症男の子の母親。 支援や療育の記事だけを別のブログに引っ越しました。 サイトはこちら 発達障害の療育の勉強をしながら、自閉症の親として成長していく体験レビュー型ブログを目指しています。 そのほか、自閉症やADHDの子育てで気づいたことの情報発信もしています。 よろしくお願いします。

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