自閉症の子育てで気になることといえば「行動面」ですよね。
例えば
- 教室で座っていられない(ウロウロする)、教室から逃げる
- 走り回る
- 自傷・他害行為(頭をたたくなど)
- 大声で泣き叫ぶ
- 強迫的な反復行動や攻撃行動
- 衝動的な発言(*行動に含まれます)
- 園や学校でねそべって活動や授業に参加できない
だいたいは、上のような感じの行動で悩む方も多いかと思います。
いったい、どうしたらいいの?って思ってしまいますよね。
自閉症の問題行動に効果的といわれるのが「応用行動分析学(ABA)」というものです。
今回は、応用行動分析学の基本を勉強してまとめたいと思います。
うちの息子の場合【体験談】
おもちゃ箱をひっくり返す
うちの息子の幼稚園の頃の問題行動といえば、おもちゃ箱をただただひっくり返すというものでした。
使いたいので中身をざざーっといったん出すというわけではありせん。
がっしゃーん、がっしゃーんとすごい勢いでばらまいて遊ぶのです。
家の中を小型の台風が通過するイメージですね。
家具もプラスチックのものは倒されていました。
棚や家具ごと倒して遊ぼうとします。
時にはごみ箱もターゲットになりました。
これは地味に辛かったですね。
(ただ家が荒れていくだけなので。)
なぜひっくり返すの?
私には、息子の行動の意味がまったくわかりませんでした。
そこで勉強していると、以下のようなことがわかりました。
ポイント
「自閉症の子供は「注目を得たい」ために問題行動を起こすことがある」
なるほど「親の気をひきたくてやっているのか」と理解した筆者は、次に推奨されていることを本で調べてみたのです。
すると本にはこのように書いてありました。
「問題行動は無視しましょう」(^^♪
遊ばれているのです。
当時はこのような理論すら知りませんでした。
ただペアレントトレーニングっぽい本には「無視する」と書いてありました。
無視した!でもあれ・・・?エスカレート!
解決策を理解したつもりになった筆者は
とばかりに無視していたのです。
(*正確には無視という言葉ではなく反応しないが正しいのですが)
ですが、おかしなことが起きました。
息子の家を荒らす行動は収まるどころか、どんどんひどくなっていったのです。
(^o^)/
それは消去バーストです
おかしい。
子供の注目を無視しているのにどんどん激しさを増して荒れていく家。
たまりかねた私は、わらにもすがる想いで1週間前に出会ったばかりの児童発達支援の先生に電話できいてみました。
すると意外な言葉が返ってきたのです。
何が「あー」なのかはいまだに不明です。
当たり前のように言われたのですが、どうやらそれは消去バーストというのだと知ったのです。
なんだか何かの攻撃魔法の名前みたいでカッコいいです。
必殺。消去バースト!
消去バーストとは?
なぜ息子のおもちゃ箱をひっくり返す行動が増えたのでしょうか?
図によると、結果である「親が驚いたり困ったり反応すること」が面白いわけですので、行動が強化されてしまうのです。
これを行動分析学の用語で「正の強化」といいます。
(⇒正の強化の記事はこちら。作成中です)
強化に随伴しているものをABAでは「強化随伴性」と呼びます。
強化随伴性
★好子(強化子)
★嫌子(負の強化子)
その通りです。
そのうち、ベースラインに戻って行動が生起しなくなります。
「親は反応をしない」という行動をとったとき、それを「消去」の手続きと呼びます。
文字通り、強化されている行動を消去することです。
ですが、みなさんも経験があると思いますが「今までできていたことが急にできなくなる」と、「あれ?」と思って行動がむしろ増えることがあります。
例えば
消去バーストが起きるということ=あってる。
K先生が仰るには
なので、あっているということになるようです。
ですが、この理論を知らないと大変です。
なぜならば、親はあっている対応をしているのに、問題行動無視したら余計にひどくなった=意味ないと考えてしまうかもしれないからです。
そう思ってしまうと、親はわざわざ子供が余計に荒れることをしようとは思わないですから、「ペアレントトレーニングの本に書いてあること意味ないじゃん」と考えて(自閉症の育児に)絶望してしまいます。
そうすると、親は子の問題行動を改善できたかもしれないのに、正しい方法であるのに、やめてしまうこともあるのです。
問題行動が減れば、親子の安定した暮らしが一歩近づくというのに、それではもったいなさすぎます。
筆者は療育の先生に救われたのでした。
ありがとう、K先生。
完。
まだ大事な伝えたいことがある
完。だけでは「体験談」で終わってしまいます。
まだあります。
それは以下です。
知識がなければ気づけないことがある
知識がある人なら気づけることがある
お母さんはちっとも僕のことわかってくれない!
となるかもしれません。↑たまたま吹き出しが怒るやつしかありませんでした。
しかし、親に自閉症の自分をわかってもらえないとおもった子どもは「怒りや悲しみ」を心に抱えて孤独感を抱えてしまうかもしれないのです。
親と専門家は協力しあう
でも、残念なことに「うちの子は私がよくわかっているの!」と療育を拒む親や、「自閉症だから〇〇くんは」と決めつけてしまう専門家もいます。
どちらか一方の情報では、子供をうまく導いていけないでしょう。
親も学校・教育・福祉関係もすべてがそれぞれお互いに持っているリソースを尊重しあって連携して力を合わせる必要が大切だと思います。
まとめ
今回は記事が最後まで書けて嬉しいです。
ABAでうちの子供は、家での問題行動が一つ消えたのです。
それだけでもやってみる価値はあります。
他のお母さんも、親子の平和な暮らしをどうかあきらめないで欲しいです。
自閉症のことをよく理解してくれる専門家が見つかることを願っています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さまの参考になれば幸いです。