このような悩みはありませんか?
」「どうやって育児したらいいの?」
自閉症にはこだわりと呼ばれる行動があります。
結論、こだわり=想像力の障害からきていることが多いです。
本記事では自閉症のこだわり行動を次のように定義します。
- 譲らない・あきらめられない・我慢できない
- ルーティン行動へのこだわり(変化に抵抗する)
「譲らない・あきらめられない・我慢できない」のは「次がある」という見通しが持ててないと起きやすいです。
ルーティン行動へのこだわりも「想像できない(先がわからない=不安感)」によって、いつもと同じが安心という本能的なものが関係してきています。
とにかくこだわりというのは、「不安感」が強まると起きます。
不安感は見通しが持てないと起きてきまから、こだわりへの育児方法は「自閉症の子に見通しを持たせる支援」が主となってきます。
本記事の内容
- 見通しを持たせることで「次がある」ことを想像させる(絵で理解)
- 「あきらめた・我慢できた・譲れる」自分が誇らしい気持ちが薄い⇒言葉ではなく具体的なメリットを提示する
- こだわりは良い習慣(ルーティン)を増やすことで生活全体を安心して過ごせるようにする
- こだわりによるパニック時に休める場所を作る(カームダウン)
こんな感じです。
では、詳しく解説していきます。
【発達障害】自閉症のこだわりはどうして起きるの?
「あきらめられない・我慢できない」などのこだわりは想像するのが苦手だからです
まず、自閉症の子どものこだわりについて解説します。
こだわりといっても自閉症の子どもによってさまざまです。
大前提として、こだわりが周囲の人に誤解されやすいのはわがままや人間性の問題に見えてしまうことです。
自閉症の子どもにとっては、不安感でこだわりが起きているわけですが時には親からも「わがままだ」と思われてしまうのです。
さらに、周囲の人から見たら「自分のやり方やルールを押し付けてくる」様子は
人としておかしいやつだ。
親はもっとちゃんと躾しないと!!
こんな感じで身内や世間から、親が見られてしまうこともあります。
自閉症の子どもを頑張って育てているにもかかわらず、「頑張ってない」かのように言われてしまうのはとてもつらいですよね。
「甘やかしている」わけではないのに、そのような躾をされていると思われてしまうことが、問題の1つとなりやすいのが自閉症のこだわりなのです。
どうして定型発達はゆずったり我慢できたりするのか?
定型発達の子どもは「次(次回)を想像できる」ので見通しが自分の中で自然に持つことができます。
だから、「譲ったり・我慢したり・あきらめたり」することができます。
いつか自分もお友達にそうやってもらえるだろうと予測して社会のルールを自然に学習することもあるよ。
しかし、自閉症には想像力の障害があります。
想像力というのは「次の見通しなどを想像する」ことです。
まだ起きてないこと(次に起きること)をあれこれと想像することですね。
次が想像できないと、「今しかない」「これしかない」と思い込むのです。
1つしかない限定品を見てほしいときのイメージでしょうか。
次がないかもしれない(見通しが持てない)ということは、誰でも「今の行動にこだわる」強い動機となります。
- 電車が1日に1本しかない。
- 限定品が残り1点
- 回転ずしでほしいネタが通り過ぎたら二度と回ってこない
我慢できる自分が誇らしいなどの社会的なご褒美も無関心
(定型発達では約束を守れる自分が誇らしい=かっこいいという気持ちが生まれるのですが・・・自閉症ではそのような気持ちにも鈍感です)
定型発達では「我慢した私・僕えらいでしょう」というような社会的な価値観が、幼稚園くらいから育ってきます。
「魔の2歳児」のこだわり行動のような自己主張や自我も、定型発達であれば
このように褒められることで「だんだんと自分のやりたいことを頑固に押し通そうとする(イヤイヤ期)」は薄れていきます。
この自己主張や自分のこだわりは、「社会的に褒められることのうれしさ」となって、子どもにとても魅力的なご褒美となります。
これが、定型発達の子どもの「我慢・譲る・あきらめる」という行動を後押しします。
しかし、自閉症の子どもの場合「お兄ちゃんだね!!我慢できてかっこいい」という言葉にあまり魅力に感じないことがあります。
このような「社会的な賞賛」(社会性好子)と呼びます。
自閉症の子供は、「社会的な褒め」にまったく魅力を感じないので強化もしにくいのです。
なぜならば、我慢することやゆずることが、社会的に価値のある行動であることに気づくのが遅いことと、それを誇らしいと自分で思うこともあまりないからです。
だからこのような褒め言葉はあまり効果的ではないのです。
ですから、なかなかこだわり行動を「我慢したり・あきらめること」で褒めるということも親はしにくいわけです。
子どもの中のこだわり行動は、社会を介在しないままになってしまいます。
自閉症に「我慢ばかりさせて褒める」のは危険ですが、「我慢できたらいいことがある」と教えることは必要です
発達障害では「我慢したことを褒めてもそれが動機になりません。
ただし、我慢したあと(次)に「いいことが起きるとわかっている場合は我慢できること」もあります。
- 次に何が起きるのか知ること
- それが「子供にとってどんないいことはあるのか?」知る
このような育児を心がけることによって、自閉症の子どもが「こだわりが強くなる」不安感を減らすことができます。
発達障害の子どもが見かけ上、我慢できている場合本人は我慢することの価値が自分の中で育っていないが、ルールに従って我慢している可能性もあります。
その場合、積もり積もって「我慢してきたものが家で爆発する」や、急に拒否する・閉じこもるなどが見られることがあります。
我慢できているように見えることの裏には「子供が気持ちをうまく伝えられない」という不満がある場合もあります。
想像力の障害を「我慢することを覚えさせる」という対処だけでしていくのは危険なので気を付けましょう
【発達障害】こだわりへの対応ってどうやればいいの?
見通しをもたせれば実力が発揮されやすくなります【スケジュール表を作る】
「次に何が起きるのか?」わからないことが、発達障害の子供にはとても不安なことになります。
スケジュール(次に起きること)を目で見てわかるようにすることがこだわりへの対応の基本になります。
基本は次に起きることが目でみて自閉症の子供がわかるようにするです。
自閉症【こだわりへの対応】変更や予定外のことは早めに告知する
自閉症の子どもに変更はよくないといっても、変更しなければならないことが人生ではあります。
変更がいけないのではなく、自閉症の子どもが「変更することがわかっていること」が重要なのです。
- 時間は〇〇時~〇〇時と幅を持たせる
こだわり対策の見通し(スケジュール)は家にあるもので簡単に作れます
・パソコンがない
・面倒くさい
スケジュールの中で「いまどこか?」もわかるようにしましょう
□ひっくり返す
□終わったカードをボックスに入れる
□終わった部分をレ点チェック
□終わった部分を線で消す
小さいときは絵をメインで、高学年になると文字でスケジュールという感じです。
「いつも通り」が好きな特性はよい習慣に落とし込む【ルーティンは長所】
自閉症のこだわり行動である「いつも通りが好き」ということは、得意ということでもあります。
ですから日常生活に「よい決まり」を埋め込んでいきましょう。
日常生活に決まり事が多いほど子供は安心して過ごせます。
・寝る前には必ず歯を磨く
・誕生日にはお祝いの手紙を書く
カームダウンエリアを家に作るのがオススメ
自閉症の子どもがパニックになった時のために子供が落ち着ける一人になれる場所を確保しておきましょう。
こだわりは感覚の過敏性となってあらわれることもあります。
自閉症の感覚の過敏性をとりのぞくことはできません。
日によっても「がまんできる水準」が変わります。
調子が悪いときは、無理せずに環境を子供にあわせます。
一人でリラックスできる場所を作ってあげるとよいです。
まとめ
筆者の息子はこだわりは幼稚園くらいが一番強かったです。
ミニカー床に並べておくのですが、足でけっとばしてしまったらかんしゃくで大変なことになるので車の並び順を写真でとって覚えておきました。
私が足でけっとばして列がくずれても、元に戻せるようにです。
そのあとは高学年になるにつれてだんだんと柔軟性が出てきたというか「こういうこともあるよね」くらいに受け止められる幅が出てきたように思います。