今回は、自閉症のワンオペ育児の乗り超え方について考えます。
そもそも論として、ワンオペって本来は「父親がいないシングルマザー」や「単身赴任で助けてくれる存在がいない」などの人が使う言葉であり、「ひとりで育児をする=ワンオペではないようです。
「医者がひとりですべての工程をする」という意味から派生しているので。
そのため、厳密には「家に母親1人で育児すること」ではないのです。
本当の意味で頼る人のいないシングルマザーの人の前で
というと
ってイラっとするという声をネットで拾っていますから、くれぐれも注意してください。
しかし、父親が家にいない=一人で子ども見るみたいな幅広い意味で「ワンオペ育児」という言葉が意味として通っていますので、今回は「家にひとりで育児する」というような意味で使います。
自閉症のワンオペ育児を自分なりに定義してみた
自閉症のワンオペはどのような状態を指すのか?といいますと、結論、1つです。
- 夫が役に立たない、戦力にならない・邪魔する(論外)
「自閉症の」と付け加えるまでもなく、定型発達の母でもこれは起きうる問題です。
しかし、自閉症の育児というのは精神的な支えもさることながら、物理的に忙しいということがあります。
なぜならば、自閉症の親には定型発達の親だったらしなくてもいいことが山ほどあるからです。
ワンオペでは到底無理であろう「自閉症の親だからやらなきゃいけないこと」を羅列。
という言葉に代表されるような、「こんなこと」とはどのようなことかというと以下です。
- 赤ちゃんのときから発達の不安で常に育児の悩みを抱える
- 自閉症の子どもがいつパニックや癇癪を起こすか気が気じゃなくてずっと気を張っている・緊張状態
- 同じことを何度も繰り返すので、何度も同じことで神経をすり減らす
- 定型発達の親がしないであろう「病院探しに奔走」「ネットで不安で検索しまくる」「幼稚園を断られる」「支援センターをたらいまわし」で疲弊
- 医者に見下される・支援級の先生に見下される・放課後デイの先生に見下されることによる精神疲弊
- 定型の保護者に内心で見下されることによる精神疲弊
- 将来が見えないことでの不安感による心身の不調
- 子どもを受け入れられない自分への自責で疲弊
- 睡眠障害・てんかんによる病院への通院の負担・寝不足
- 療育センターが遠いことでの移動の負担
- 福祉サービスを受けるために移動・相談・申請・受診による疲労と金銭的負担
- 絵カードや支援ツールを作るための金銭的負担・時間的労力がいる
- 自閉症の専門家・相談できる人を探すのに精神的・金銭的エネルギーを使う
- 自閉症の子どもへの介助の精神的・肉体的負担
- 自閉症の勉強をすることの時間・精神的・金銭的労力
- 園や学校とうまくやっていくための相談・対人コミュニケーションへのエネルギー投下
- 相談支援員との面談
- 就学相談などの精神的エネルギーを使う
- 学校や園で呼び出されることへの精神的負担
- 学校や園で呼びされることでの就労が困難であること
- 他害や問題行動による他人への罪悪感や謝ることの精神的エネルギーの消耗
- 定型発達との比較によるできないことへの喪失感と虚しさ
- 羨ましさや嫉妬・不公平感への対処
- 不登校のリスクへの対策にかけるエネルギー
- 二次障害や精神疾患、場面緘黙、嗜癖行為、ゲーム依存などで悩む確率が高いことへの対策とエネルギー投下
- 一生にわたって面倒をみることへの精神的負担・経済的負担
- 母親自身の孤独感
まだまだ出てきそうなんですけど、さくっと出るだけでこれくらいありますね。
まとめると
などなどいろいろあるんですけど、なんといえばいいんでしょう。
自閉症の母親は、わりと子どもを理解しようとしていてわざわざ我慢していることがあると思うんです。
でも、色々な方の夫を見ていると夫のほうはお子さんへの理解が足りなくて、せっかく母親が「そうしないようにしていること」を自分の気持ちで破ったりするみたいな感じです。
ことごとく苦労を水の泡にしてくれますよね。
私の場合は、むしろひどくなるので(夫に育児に)関わらないでほしいとなったので、むしろワンオペ万歳って感じです。
自閉症のワンオペ育児の対処法って?
自閉症のワンオペ育児の対処法を考えてみます。
- 児童発達支援・放課後デイサービスに預ける
- Twitterやオープンチャットで情報交換できる仲間を見つける
- ひとりの時間を計画的にとる
- 美味しいものを食べる
- おじいちゃん・おばあちゃんに預ける・手伝いに来てもらう
- 家出してみる
- 運動する
- 公園や暴れてもいい場所に連れていく
ワンオペ育児で辛さが人によって「何を求めているのか?」によって変わってくると思います。
ひとりになりたい人もいれば、夫に大変さをわかってほしい!という人では解決策が違います。
夫に戦力的な協力をいっそのことあきらめてしまうと、とても楽になります。
家出をするのは、あまりおすすめはできないのですが、夫に意志表明としてママ友がやったと言っていました。
家に残しても子どもが危険にさらされない状態で、家出をしましょう。
家に残された自閉症の子どもが母さんを探しにいって行方不明になってしまったり事件に巻き込まれた場合、親の保護監督責任を問われてしまう可能性があるので、やはり責任的な観点からはおすすめはしません。
ですから、私はそのママ友って「勇気あるなあ」と思ったものです。
ワンオペ育児を乗り切るためのおすすめは「おいしいものを食べる」です
ワンオペ育児の物理的な対処法というと、正直少ないです。
人手不足ということなので、祖父母に助けてもらうくらいしか思いつかないのです。
ですから、ストレスを解放するという意味では手軽にできるのが「おいしいものを食べる」ということです。
すきなもの、おいしいものを食べるとドーパミンが出ます。
ドーパミンは「高揚感・幸福感」をつかさどる報酬系にあたる神経伝達物質です。
運動やギャンブルや「欲しいものをどれにしようかな~と迷っているとき」などにも出るのですが、美味しいものを食べても出ます。
チョコレートやカマンベールチーズがおすすめですね。
ドーパミンを増やすと言われています。
でも、ご自身の好きなものでOKです。
まとめ
心理的なワンオペが辛いときは、同じママ友を作るか専門家などに相談するか?などしてください。
孤独感というのであれば、今はいい時代ですぐに同じ仲間がみつかりますので。
親の会などは私はおすすめしていません。
それはそれで社会的な役割になってしまうので、全然解決にならないからです。仕事が増えたようなもの。
それをお勧めしてくるカウンセラーとか本当にわかってないなって思いますもん。
人づきあいと「親の会の雰囲気」を見て自分のポジションどおりにふるまう時点で、もはや仕事なんですよ。
それこそ「定型発達の親はしなくてもいいこと」じゃないですか。
それをわかってないで「親の会は電話したの?」とかいう人。
そういうのを解決策として言ってくる心理士さんは正直「なーんもわかってないな」って思います。苦手です。