こんにちは。
高機能自閉症の子どもを育てているぴょんたろうです。
子どもを育てているお母さんが心配していることって、やはり発達の状態ですよね。
発達の遅れっていうけど
どういうことなの?
母子手帳には、その月齢で子どもができるようになることのチェック項目がたくさん載っています。
✅発達の遅れを感じているので相談したい
✅(その前に)そもそも発達の遅れってどういうもの?
、どこまで心配したらいいのかわからないし・・・」
適切な機関を通じてなるべく早くから発達を促すことは、あなたとお子さんの将来にとても大きな影響を与えます。
療育を始めるのが遅いと、良くない習慣やこだわり、間違って覚えてしまった問題行動などなどの弊害があります。
問題が出てめちゃくちゃになってから、
あとから修正するのはとっても困難です。
発達障害と知らずに放置されて、小学生になってから問題が表面化してしまうことが多くあるのです。
発達の遅れがあると感じていていて心配な方が、この記事で受信の目安になれば嬉しいです。
ではよろしくお願いいたします。
発達の遅れ【言語の発達】を解説
自閉症の【言葉の発達の遅れ】は大きくわけて「3つ」
まず、親が気になるのは言語の遅れですよね。
発達障害においての言葉の遅れとは以下のようなものとして現れます。
✅代名詞転倒
✅自己流の言い回し
自閉症の言語の発達の遅れはオウム返しが代表です
オウム返しとは、機械的に聞いた言葉を繰り替えることです。
これは、自閉症だけに見られるのではありません。
定型発達も耳できいた母親の言葉を繰り返しながら、覚えていくのですが、発達とともに消失します。
定型発達でも、
自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム)
どちらも見られるんだね。
定型発達ではオウム返しが言語の発達の過程で見られたとしても、とても短い期間であり、さらに抑揚などもあります。
(参考出典:子どものための精神医学、医学書院、滝川一廣 P192より)
なぜかというと、音声模倣(ママの言葉を真似)するということは、喃語(言葉にならない赤ちゃん語)のときから、母親の情動的な交流をベースにして真似していることを言葉による表出の土台としているからです。
自閉症では、このママの言葉をまねっこするときに
感情の交流が行われにくいんだ。
このオウム返しの段階で、言語発達が進まずにオウム返しが残ってしまうのが自閉症の言語の遅れの特徴だといわれています。
自閉症では代名詞転倒も見られます
代名詞転倒とは「自分をあなた」「あなたを私」と呼ぶ現象のことです。
あなたのことが好き。
周りの人から、実際につけられた名前を呼ばれなくても「あなた」と言われたら「あ、自分のことだ」と理解します。
小さい子どもに話しかけるときのことを想像してみてください。
ボク、いくつ?
小さい子どもの「一人称中心」にして、大人のほうが代名詞を変えて話しかけますよね?
このように、代名詞を変えて話しかけることを、「代名詞転倒」というのです。
あなた、いくつ?
では、子どもにとってはわかりにくいからですよね。
ですから、私たちは自然にそのように代名詞の視点を変えることができています。
なんでかな?
これは「自分中心の視点」ではなく、子どもの視点に立つことができているからです。
簡単にいうと「脱中心化」を乗り越えてきた人だからできるのです。
自閉症では「脱中心化」の発達が遅い
脱中心化ってなに?
脱中心化とは、幼児期の自己中心的な思考・視点から脱する過程のことです。
(スッキリより引用)
自閉症の言語に関して、声掛けをするとき「ぼくは、〇〇を します」のように、自閉症の子ども中心の一人称に変えて指示や理解の文を与えたりしていることを見たことがないでしょうか?
発達において、ピアジェのいう「脱中心化」が
自閉症では乗り越えられていない場合
があるということだね。
なお、自閉症スペクトラム症の中でも、言語の発達の遅れがみられない場合、アスペルガー症候群と独立した概念に該当する場合もあります。
高機能自閉症(High-Functioning Autism)の定義は(IQ70以上)です。
アスペルガー症候群は高機能自閉症ですが、高機能自閉症の方すべてがアスペルガー症候群である証明にはなりません。
(情報の参考書籍:子どもの発達障害辞典(DSM5対応)、合同出版、原仁、著)
発達の遅れ自己流の言い回し
言葉の発達の遅れの3つ目は、自己流の言い回しです。
社会的には通じないその子だけの独特な呼び方などのことです。
カナーの事例にはクレヨンの赤を「アネット」、青を「セシル」と呼ぶ例が出てくる。
(*子どものための精神医学、P193より引用)
俗にいう自閉症の「自分語」ってやつだね。
これも、さいしょから自閉症だけに現れているわけではありません。
定型発達の幼児も同じように自分なりの表現をしているのです。
ですが、社会的な表現や一般的な呼び名を周りから学ぶうちに言葉が修正されていきます。
ですが、自閉症では言語の発達の遅れもあるということですから、社会的に共有される一般的な表現になることが遅い場合があるのです。
そのため、独特の「自分語」という呼び方が後々になっても定着してしまったりするのです。
認識の発達の遅れがあると独特の世界を持ちやすい
共通の世界で生きるための「意味や約束」を理解すること
認識の発達の遅れときいても、わかりにくいですよね。
認識とは以下のような意味です。👇
✅さらに、その世界のルールや意味づけを他の人と共有していることをわかることです。
認識の発達に遅れがあると
その子どもは、マイワールドに入ってしまいやすいのです。
その子ども独特の体験世界があるということになります。
私たちが生きている世界にうまく入りきれないんだ。
だから、認識の遅れをもった人は
私たち定型発達の人が
知らない「孤独や寂しさ」を抱えているかもしれないんだよ。
認識の遅れが出るのは自閉症や知的障害
認識の遅れを持つ人というのは以下のとおり。
✅自閉症 (認識の遅れ 重度)
✅知的障害 (認識の遅れは中度)
✅アスペルガー症候群 (認識の遅れは軽度)
目次あと「認識の発達水準の図」、「P193文章」を読解して説明)
アスペルガー症候群は、認識の遅れも軽度だし、
言語の遅れもないので、比較的、定型発達に
近い認識をしているよ。
認識とは「同じルールや意味で表すことのできる世界を共有すること」
筆者の、息子は、小学6年生ですがローラーブレードがとても上手なのです😊✨
子どもが、お母さんにむかって話しかけたとしましょう。
さあ、あなたも自分のお子さんから「ママ〇〇しよう!」と話しかけられたところを想像をしてみてください。
―――あなたは、お子さんから「〇〇しよう」と言われたとします。
(公園にて)
一緒にローラーブレードしよう!!
いいね!(自分が滑ったり、滑っているのわが子を見守って楽しむ)
このとき、筆者はうまくローラーブレードが滑れないのですが、わかっていることがあります。
ローラーブレードという遊びってどういうことか?
わかっていますし、もし筆者が滑ってないときでも「(子どもと)同じ体験をしている世界を共有しています」よね。
同じ世界を共有できていますよね。
これは、物理的なのでとてもわかりやすいのです。
ローラーブレードで遊ぶっていう体験(の世界)は、わかるんだ!!
ボクは知っているんだ、同じなんだ、わかるんだよ!
共通の認識を持つ世界ではないと意味が不明になる
さて、ところかわって。
家で、お母さんであるあなたは「子どもからまた遊びに誘われました。👇
ねえ。このちくわの穴を通ると小さくなってボク、小人になるんだよ。
さあ、お母さんであるあなたは、「その世界を共有できるでしょうか?」
え・・?と一瞬、なりますよね。
でも、私たちには「空想・想像力」というものがあります。
私たちの知っている共通認識の世界(現実)でのできごとではなく「子ども自身の空想の世界にいること(空想の世界の話だということ)」に気づくのです。
望遠鏡みたいだ!!ものが近く見えるぞ!
ですが、その子どもの世界をお母さんであるあなたが、共有するためには以下のことが必要なのです。
✅小さな穴から見た世界という観念を想像できること
✅もし・・・自分がその「穴を通れるくらいの大きさだったらモノはどう見えるのだろうか?」
⇒穴からみた世界が大きいということ=自分が小さくなったみたいだ!という想像による立場
を理解すること
皆さんも、一度は東京スカイツリーや東京タワーから、下の眺めを見たことがあるでしょう。
そのとき「車はとても小さくてミニカー、まるでおもちゃ」のように見えたはずです。
でもそれらの世界は「高いところから見たらモノは小さく見えるんだ」という(世界の概念)をわかっているから、そのように認識できるだけです。
もしそれを「空想や頭の中でやったとしたら」共通の概念で理解される世界ではなくなってしまいますから、想像や空想遊びができるということは、ある程度の「概念と観念を持ち合わせていない」とむずかしいわけです。
頭の中での出来事を
共通の世界の体験として
他者と共有できるには「想像・観念・概念」の能力がいるんだ。
ちょっとむずしいのですが、自閉症は概念での理解が難しいので、世の中の概念での約束事を理解しにくいという感じで覚えておくといいと思います。
意味や約束ごとを理解することが自閉症は苦手
わたしたちが生きている共通の世界は「何でできているのでしょうか?」
「意味や約束」「概念」で、できているのです。
✅見えない約束事
✅見えない概念
これらは、目にみえないために認識するのは自閉症の人にとってはとてもむずかしくなってしまうのです。
もし、食事中にちくわを振り回しながら「剣だぞー」とやっている子供がいたとします。
その子は「観念の世界ではちくわは武器」になっているのです。
どうして、「武器なんだよ」。
ちくわはただのちくわだよ。
私たちは、現実での共通の意味や約束事である「ちくわは食べ物」という現実的な意味と、頭の中での「ちくわは武器」という自分なりの観念による意味づけの「二重構造」によって、世の中を理解しています。
ちくわは武器だよ、武器じゃないけどね。
この「二重の認識」ができるからこそ、「トンボになりきって遊ぶ」などの見立て遊びや
「おままごと」(現実では子供だからね)が成立できるのですね。
しかし、自閉症では認識の発達の遅れがあるために二重構造の世界が理解できないのです。
これが「認識の発達の遅れ」なのです。
関係性(社会性)の発達の遅れ
社会性は自然に身につく部分と身につかない部分がある
関係性の発達の遅れとは、社会性の発達のことです。
子どものための精神医学の本(P199)によりますと、
✅認識の発達の遅れが少ないほど関係性の発達の遅れも少ない
つまりどういういこと?
認識の遅れが大きい群が社会性の発達の遅れも大きいということになります。
認識の発達水準は、以下のとおりです。👇
定型発達>アスペルガー症候群>知的障害>自閉症
小さい👈社会性(関係性)の遅れ👉大きい
このようになります。
運動機能の発達の遅れ【発達性協調運動障害】
詳しくはこちらの記事をごらんください。
発達の遅れは「言語・認識・関係性・運動機能」の4種類です【解説】まとめ
発達に遅れを感じたら、とにかく放置せずに相談することだと思います。
今回は、その中でも「発達の遅れってそもそもどんなものなの?」という内容をお届けしました。
発達の遅れを感じたらどうやって相談したらいいのか?などの記事も、今後アップ予定です。
皆さまの参考になれば幸いです。