こんな悩みはありませんか?
オムツが幼稚園までにはずれないとお母さんは少し焦ってしまいますよね。
筆者の子供は2年保育で入れたのですが、幼稚園に行って数カ月で自然にはずれました。
幼稚園の尿検査のときなどにちょっと困った経験があります。
幼稚園のほうで面接のときに、幼稚園側から「(入園までに)オムツをはずしてきてください」と言われましたし。
なので、親としてはできれば幼稚園の入園前には、オムツをはずしておきたいですよね。
今回は、幼稚園に入る際にみにつけたい「着替え」などの身辺自立の一つである「トイレをする」について解説していきます。
【トイトレ】まず原因を探す
トイトレのどこができないのか?具体的に把握しましょう
何事もそうですが、原因や要因を分析してから取り組まなければ成功率が下がります。
それに、トイレトレーニングにかける努力も無駄になってしまいます。
- 膀胱におしっこがたまる感覚を覚える(尿意を感じる)←ここ?
- トイレに行こうと思う(意思決定)←ここ?
- トイレに入る (行動)←ここ?
- トイレに座る (行動)←ここ?
- おしっこをする (行動)←ここ?
尿意があるときに、トイレに座って出るまで座っていることができればトイレは成功します。
①は「膀胱におしっこがたまる」という感覚ですので、それが鈍い子はわからないのかもしれまん。
①の成長には個人差があります。
もしこの感覚がうまく脳に信号として送られていない場合は「泌尿器科」などを外来してみてください。
さらに②は「おしっこをしたい=トイレ!!」と自分で自分の気持ちの意思表示が必要になります。
一般的なオムツはずれの手順は、②の「おしっこをしたい」から③で紙おむつでしていたのを「トイレトレーニング用パンツ」に変更しておしっこをさせます。
すると③、④、⑤は「ぬれて気持ち悪い」と感じます。
それによって「今度からはしたくなったらトイレでしようね」とお母さんが「おまるやトイレに誘導して場所を教えること」でトイレが自立できるようになっていきます。
トイトレが成功しない理由を考えてみよう
自閉症の感覚過敏でできないのでは?
自閉症は感覚の処理の方法が定型発達と違っています。
その感覚過敏によって生じることが、トイレトレーニングを難しくしていることがあります。
- ぬれていても気にならない(気持ち悪さを感じていない)
- おしっこがたまっても尿意を感じにくい
ぬれていても、お子さんが気持ちわるさを感じていないのであればトレーニングパンツを使っても意味がありません。
②以降ができないことになります。
①おしっこがたまる感覚(尿意)
②「おしっこしたい」
③おしっこをする(ぬれる=気持ち悪さを感じない)←ここでつまずいている
自閉症の感覚過敏があるときオムツはずしの対処法は「時間を決めて連れていく」
自閉症の感覚の特異性によって気持ち悪さを感じずにトイレに行かない場合は、トイレの成功のカギを握っている②「おしっこしたい」は期待できません。
ですから親が定期的に時間を決めて連れて行ってあげることが対応の基本になります。
その時、子どもが遊びに夢中になっているとき声をかけても効果的でないことがあります。
なので、視覚指示も添えて「いつも使っている言葉」で絵カードを使って誘ってみましょう。
いつもトイレに誘うときの言葉(指示や絵カード)は必ず一定にします。
その点を考えると、トイレというのは場所と目的がかなり「はっきりして」いますから、絵カードで指示がいいと思います。
もし、②の「意思表示」ができているお子さんの場合で、③~⑤が成功しない場合は、ほかに原因があります。
- 「トイレが怖い」
- 「水の音が怖い」
- 「座るのが怖い」
ココがポイント
誘うときは「視覚指示」も一緒にいつも使っている言葉で
自閉症のトイトレがうまくいかない原因「こだわりが関係している」場合
自閉症のトイレトレーニングがうまく進まないのは「こだわり」が原因かもしれません。
こだわり、つまり「その子ども本人の習慣や儀式のようなもの」が決まってしまっている可能性も考えてみて下さい。
おしっこが出そうになる ⇒ 「紙おむつでしなくてはならない(こだわり・儀式)紙おむつにするもの」
自閉症のこだわりがある場合のトイトレ方法
安心感を与えましょう
こだわりがトイレトレーニングの妨げになっている場合、うまくいくキーワードは「安心感」です。
なぜかというと、こだわりは「想像力の障害」からきています。
そして、こだわりというのは本人にとって「落ち着く・安心すること」である場合も多いからです。
おしっこを「トイレ」という場所でするという固定概念をまずは捨てます。
簡単な流れ
- トイレの近く(リビング~洗面所の近くなどの床)にお風呂の桶などを用意する
- オムツをお風呂のおけの上に置く
- その上でおしっこする
- おけの場所をトイレに近づけていく
- おけ=トイレに代替え
- トイレの中にオムツを置く
- そのうえにおしっこする
お風呂などでできるようであれば、お風呂場におまるをおいてもいいです。
100均などでおけを買ってきます)
そのおけをだんだんとトイレに近づけて、最終的にはトイレの中におきます。
もし、お子さんが紙おむつをはきたがる場合はトイレに紙おむつを用意しておいて、トイレという場所で「紙おむつにする」というようにします。
そして、トイレの中に紙おむつをしいて、座ってしてもらうなどだんだんと「おしっこの形」を近づけていってください。
必ず、最初から「トイレ」でできなくても構いません。
リビングでおまるの代わりにやってみましょう
ポイント
・子どもが安心してできるようにする
トレイに対して恐怖感がある場合の対処法
トイレへの恐怖感などがある場合は「トイレが怖い」「水の音が怖い」「座るのが怖い」などの理由があります。
これもこだわりと同じで安心感をベースにしながら「他のものに置き換えられないか?」試してみてください。
- トイレに好きなぬいぐるみを置く
- リラックスする音楽を流す
- 水の音が怖いときはイヤーマフを使う
- お尻が落ちるのが怖い場合は床でおまるで練習してから
座るのが怖い場合は、トイレに取り付けられるおまるで試してみるといいかもです。
おまるという「場所でおしっこをする」ということに慣れたら、「その補助便座」だけとってトイレにのせることは「そこはいつもの場所ですよ」という見た目からの情報になると思います。
いつもしている場所ですることは安心感があります。
トイレという場所自体が怖い感情と結びついている場合は、ほかの行動療法や認知療法とあわせた技法が必要かもです。
(ちょっと怖さに対しての対処法は内容が薄いのであとで加筆するかもです。)
【注意】おもらししても絶対に叱らないで!!
自閉症の子がおもらしをしても絶対に叱らないでください。
失敗してもおしっこが出たこと自体を一緒に喜んであげましょう。
もし、おもらししたことを叱ってしまうと以下のようなことが起きる可能性があります。
- 汚れた・失敗したパンツを見えないところに隠す
トイトレを成功させたいわけで、子供にそんなことをさせたいわけではないですよね。
おしっこをする体験=怒られた嫌な記憶・怖い
このように結びついてしまうと、緊張で逆におしっこが出なくなってしまうことがあります。
まとめ
自閉症のトイレトレーニングはこじらせると大変な手間や労力がかかります。
それに、こだわりとして間違った方法を習慣化してしまうほどそれが小学生になっても身についてしまうことも多いです。
この記事は、私が「トイトレをするならばこうするかな?」ということなので、できれば専門家の指示をあおいで関係機関に相談しながら進めることを推奨します。
私の息子は4歳8か月でオムツがはずれました。
でも、この知識は当時ありませんから、この通りに検証してきたわけではありませんので。
焦らず、しかし放置していると「習慣化」してしまうので、なるべく早く適切なトイレの方法を教えていきましょう。