自閉症のお子さんを育てているとき

「独り言が多いなあ。なぜだろう?」
と思ったことはありませんか?
独り言を言うので「うちの子は大丈夫なのかしら」と心配になったり・・・
エコラリア(反響言語)は、オウム返しとも呼ばれていて他者の言葉をそのまま真似することです。
これは、すべての子供が通る発達段階です。
親の言った言葉を真似することで言葉を覚えるのですね。
ですが、自閉症スペクトラムのお子さんや、言葉の遅れが見られないアスペルガー症候群にも独り言は見られることがあります。
ちょっと不思議ですよね。
いったいなぜ独り言をいうのでしょうか?
今回はそれについて調べた記事です。
小さい子供は考えを口に出す
公衆の前で独り言を話すことが恥ずかしいという概念があまりない
独りで遊んでいるときも、仲間と遊ぶときも小さい子供が自分も考えていることを口に出すことはよくあることです。
ですが、小学校に上がるころになると「頭の中で考えること」を覚えるようになります。
ですが、アスペルガー症候群では、公共の場で他人がいる場所でも「考えていることを口に出したまま」になることがあります。
独り言を言い続けることで、クラスの生徒の気が散ってしまったり、反対に先生や他者の指示に注意をむけられず、話を聞き逃してしまうことにもつながります。
これは、アスペルガー症候群の方は
②ここは静かにする場所だということを理解できていない
③静かな場所で自分ひとりが「目立っていること」に気づけない(無頓着・無関心)
①「恥ずかしさ(羞恥心)」の概念があまりないから
公衆の面前で「独り言をいっていること」がそもそも恥ずかしいことであるとわかっている人は、言いたいことがあっても独り言をいうことはないと思います。
自閉症では「自分が恥ずかしい」という羞恥心の発達が遅い場合があります。
まず最初は、その「羞恥心」の概念の発達の遅れが影響しているのだと考えています。
②「ここは静かにするべき場所だということを理解できない」
人は「ここはどういう場所なのか?」ということを無意識に察知しながら選択・行動しています。
この「静かにするべきところ」という状況の理解が弱いのではないか?と思います。
私たちは、みんなが静かにしている場所では「静かにしなくちゃ」という意識が働きます。反対に、みんながざわざわしている場所では「話してもいいんだな」という意識が働きます。
自閉症では、その社会的な意味を読み取る力が弱いために「みんなが静かにしているから自分も静かにしょう」と意識することが難しいように思います。
③静かな場所で自分ひとりが「目立っていること」に気づけない(無頓着・無関心)
これは「自己認知」の問題ともかかわってくると思います。
自己認知とは「自分のしている認知を認知すること」です。
自分は「いま目立っているな」という自分への認知が弱いのかもしれません。
発達障害の子供は、「自分が恥ずかしいことをしていることに気づいた」といってそれまでの、問題行動をやめたということを聞いたことがあります。
このことからも、自己認知の弱さや周囲への無頓着も独り言の理由になっているといえると思います。
気持ちを安定させようとしている
独り言をいうことで寂しさを紛らせるから
話していると寂しさを紛らわせることができるので、自分の声をきくのが好きなんです。
(デューイ 1991、 204項)
どうやら、アスペルガー症候群や自閉症スペクトラムの方は「しゃべっているとさみしくないから」といういう理由でずっと独り言を言い続けることがあるようです。
これは、筆者の息子(高機能自閉症スペクトラム)も言っていましたから、そうなのでしょう。
声が出なくなってないか不安だから
それにおしゃべりしていないと、声が出なくなるんじゃないかとちょっと不安になるんです。なにしろ5歳までほとんどしゃべらなかったんですから。
(デューイ 1991、201項)
アスペルガー症候群や自閉症スペクトラムの方は、「見えないものへの不確実性への不安」があると筆者は考えています。
「こたつに入ると(自分の足が隠れて見えなくなるからこたつから出るとき)足があるか不安だよね」と自閉症の方は考えてしまうことがあるようです。
声も見えないものですから、「聞こえていないと」なくなってしまわないのか不安なのかもしれません。それを確認するという理由もあるのかもしれませんね。
自分を客観視できるからかもしれない
実況中継が好き?
筆者の息子は、実況中継が好きです。
これはYouYubeの影響もあるかもしれません。
ですが、自分の行動や考えをしゃべりながら実行すると、客観視することができますね。
頭の中を整理するためにはよい方法だと思います。
会話でシミュレーションしている
思考をしゃべることで確認しているのだとしたら、彼ら・彼女らのそれは、会話でシミュレーションを繰り広げているということかもしれません。
あまりにもたくさんの情報を覚えておかなければならないときや、定型発達の私たちでも、手順を確認するときに「次は〇〇をして。次は△△をして・・・」と独り言が出てしまうことがありますね。
これの豪華バージョンだと理解すればよいかもしれません。
まとめ
アスペルガー症候群や自閉症スペクトラムの方が独り言をいうのは
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