高機能自閉症の子どもの親です。
皆さん、家事に育児に日々頑張っていることと思います。
疲れたときやストレスがたまったときに「これをすると元気になる」「これをすると癒される」という方法を皆さんは自分自身で知っていらっしゃると思います。
しかし、発達障害の子どもは自分がストレスがたまってきていることに自分で気づくのが苦手です。
慢性的にパニックが起こりやすくなってしまったり、イライラしやすくっている子どもに特に効果的なのが、鎮静化のスキルです。
パニック時にカームダウンするのはその場での対処なのでそれもいいのですが
予防という観点で、日々の中でリラックスする時間を意図的に計画していくのはとても大切な考え方です。
心がピリピリしているときは、神経が過敏になっています。
リラックスする方法を子ども自身が知っていて、それを日常生活に計画的にいれていくことで
子ども自身がリラックスする状態を入れることで、緊張状態が解放されます。
すると、「脳が問題に対処するための健康的な体力(器)を大きくすること」ができるのです。
専門的にいうと、大脳辺縁系が優位な状態になって緊張して神経過敏になっている状態ではストレスに刺激的に反応しやすい脳の状態になってしまいます。
https://pyon-pyon.com/auitism-sien-panic/
【参考文献】
弁証法的行動療法実践トレーニング自分の感情とうまくつきあってゆくために
星和書店/著 Matthew Mckey,Ph.D、Matthew Jefferey C.Wood、Psy.D、
Jefferey Brantley、M.D
発達障害のパニック予防にリラックス計画をたてる手順
【五感】どのリラックスの方法が効果的?
まずリラックスの計画の前に、どんな「リラックスの方法」が効果的か決定して試してみます。
リラックスする方法といっても、人それぞれです。
人によって「嗅覚・視覚・聴覚・味覚・触覚」のどの感覚が効果的か?は変わってくるからです。
運動するとすっきりしてストレス解消になる人もいれば、動くのは反対にストレスになってしまったりする場合もあります。
特に発達障害の子どもの場合は、好みの感覚の偏りが見られます。
ですから、よいと思ったものでも試してみて気分が悪化したら違うリラックス方法をいろいろと試して、お子さんにあった感覚でのリラックスの仕方を探していきましょう。
嗅覚でリラックスするリスト
匂いは鼻を通ったあと、ダイレクトに視床下部に届きます。
そのため、脳の記憶を引っ張り出すとても強力な感覚となっています。
嗅覚によるリラックスのリストを以下にまとめました。👇
□アロマテラピーを嗅ぐ
□焼きたてのパンのにおいがするカフェなどお気に入りの場所にいく
□コーヒー豆の香りをかぐ
□幸せを呼び起こす香水の香りをかぐ
□香水カードなどを持ち歩く
□公園で寝そべって草や外のにおいをかぐ
□つみたての花を買う、香りを楽しむ
□よい香りのする入浴剤をいれてお風呂に入る
視覚でリラックスするリスト
視覚は、メラビアンの法則(視覚情報:55%聴覚情報38%言語情報:7%)にもありますように
人にとって言語の内容よりも強い影響を持ちます。
発達障害の中でも子どもにもよりますが、自閉症は特に視覚優位と言われています。
ですから、視覚を使ってのリラックス方法はとても効果が高く、子ども自身も無意識のうちに習得している場合もありそうです。
視覚によるリラックス方法のリストです。👇
□オイルタイマー、オイルモーション、砂時計を見る
□キラキラ光るものを眺める
□雑誌のコラージュなどお気に入りの写真のアルバムを作って眺める
□美術館や公園などにいく
□好きな動物(猫や犬、恐竜、魚)などの絵のコレクションを作る
ペットショップに行って見る
□好きな乗り物の写真のコレクションブックを作って眺める
実際に乗り物を見に行く
□好きな絵をかいたり、水彩画、ちぎり絵などをする
□好きなキャラや人の絵を持ち歩く
□ハンドスピナーを回す
自閉症では、オイルタイマーなどを使うことも多いと思います。
私のおすすめはキラキラ光るサンキャッチャーや、クリスタルです。(笑)
うちの息子は、昨日も30分くらい遊んでいました。👇
これは視覚の刺激のほかに「重力の体感覚」の刺激も複合されていますね。
紙をちぎるのもそうです。
視覚×「ちぎる体感覚」です。
視覚でのリラックスは自閉症の子どもに向いていると思います。
【参考】視覚過敏についての記事はこちら
味覚でリラックスするリスト
味覚もわたしたち人にとって強力な感覚です。
しかし、自閉症の子どもでリラックスの計画のために食べ物を食べると過食症や、アレルギーなどの食事の制限の問題が発生してしまうこともあります。
なので、おすすめはしません。
□チョコレートや清涼菓子を食べる
□アイスや冷たい氷をなめる
□お茶、ココア、ホットミルク、ハーブティーなどを飲む
味覚をリラックスする計画で使う場合、ミンティアやチョコレートなど小さいもので「何粒」と決めておきましょう。
氷をなめると落ち着く、アイスなどの冷たい刺激で気持ちをリラックスさせるというのはアリです。
人は、冷たい飲み物が喉を通ると、副交感神経が刺激されてリラックスします。
落ち着くために「水でも飲んで」というのは理にかなっているのですね。
触覚でリラックスするリスト
触覚も自閉症にとってはとても大きな感覚となります。
【参考】触覚過敏があると服を脱いじゃう?【濡れたもの】も辛い
忘れがちですが、私たちは常に服や椅子などの「触覚刺激」にさらされているのです。
触覚というのは「私たちの体を守るサイン」のようなものなのです。
熱いものに触れたら、脊髄反射で危険を察知して手をひっこめるようにできています。
それくらい命の危険につながっている触覚は、過敏になっているととてもつらいものなのです。
しかし、危険を知らせるための触覚も時と場合によって人は好みの感触になって脳に感覚を伝えているのです。
ふわふわの猫や犬をなでるとき、私たちは幸せな気持ちになりますね。
赤ちゃんのほっぺたをなでるときもそうでしょう。
発達障害の子どもにあった安心できる触覚をみつけてみましょう。👇
□好きな触感の布などをポケットにいれて持ち歩く
□スライムなどを楽しむ
□水遊び、ねんど、泥遊びをする
□マッサージをしてもらう
□重い毛布につつまれる(圧力)
□ペットをなでる
□(不快な触覚刺激の少ない)心地よい服を着るようにする
リストの中から試して効果があるものを紙に書こう!
日常で使って慣れさせてから緊急時にリラックスできるようにする
これだと、お堅いしわかりにくいので、もっとかわいくわかりやすくするといいと思います。
シンプル箇条書きが好きなお子さんはこういう感じでもいいかもしれません。
そして、机の前の壁などに貼っておきます。
苦痛な感情に圧倒されそうになっても、これをすればリラックスできることを思い出すためです。
順番としては、先に日常的にリストの感覚を使ってでリラックスするようにしましょう。
いつも使っているものだからこそ、安心感やリラックス感を引き出すことができるのです。
想像してみてください。
あなたは知らない道で迷子になったときに、知っている道に出るとホッとしますよね。
それと同じでパニックになったときに、いきなりはじめて見る「リラックスグッズ」を与えてもリラックスはできません。
それによって、「安心感やリラックスを得て僕は落ち着くことができた」という体験が先に必要なのです。
日常的にリラックスできる感覚をみつけて、それを使っていくことを計画してみてくださいね。
まとめ
近くを散歩していたら、見つけました。
たけのこです。
可愛すぎますよね。
もぐらバスを思い出しました。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
この記事が皆様のお役に立てたらうれしいです。
【追記】聴覚を書くのを忘れてしまいました(笑)
あとで書きます。すみません。