自閉症の外から見える症状はわりと世間や書籍においても、広まって知ることのできるようになってきています。
ですが、自閉症の人の認知の部分は、症状とは別の見えない部分です。
そのため理解しにくいということがあります。

自閉症の心や認知の部分ではどんな風な特徴があるのかな?
この記事では自閉症の方の体験世界といいますか、認知の部分ではどんな特徴がみられるのか解説します。
自閉症の世界とは
はじめと終わりが「認識できない」世界
自閉症の方も私たちと「同じものを見て」そして「きいています。」
ですが、それらは私たちが思っている認識とは違っているのです。
脳の処理が定型発達とは違っているためです。
まず、よく言われているのが「はじめ」と「終わり」がわかりりくいということです。

目に見えないものってどんなものだろう?
②目で見ているもの(物体)のはじめと終わり
③自分が行動すること(活動)のはじめと終わり
④自分が存在しているところ(空間)のはじめと終わり
①時間の流れのはじめと終わりがわからない(見通し)
自閉症では、時間の流れの中での始まりと終わりを認識するのが苦手です。
時間とは無限に続いている連続体です。
わからないものに人は本能的に不安を感じるというのは、別の記事に書きました。
例えばです。
コロナウイルスもインフルエンザも、見えない恐怖です。
自閉症は「見えないものはわからない」のです。
想像力の質的障害があるからです。
コロナウイルスは見えないので、突然、不安になってパニックになる人が続出しています。
そんなパニックなった人が知りたいことって何だと思いますか?

ウイルスはどこにいるの?いつまで続くの?僕・私はどうすればいいの?ねえ、どうしたらいいの?
「見えないものがどこにあって自分はどこにいるから何をすべきで、その行動をいつまでしたらいいのか?」知ることで「安心感」を得たいのですね。
コロナウイルスにおいては、以下の情報があると「不安は低減」(安心)すると思います。
「今・ウイルスはどの辺にまで広がっていて、自分はどの辺にいるのか?」
(自分とウイルスの位置関係)


そりゃ、戸惑う世界にいるのも無理はないってことだね。

私たち定型発達が思っているよりも、混沌としている世界にいるんだ・・・
ですから、以下のようにします。
・それはいつになったら終わりになるのか?
・(できたら)進み具合がわかるものがあるといい
【①対応】時間の流れの「はじまり」と「終わり」の理解の方法
(準備中です。)
②目で見ているものごとのはじめと終わり
自閉症では目でみているもの(視覚処理情報)のはじめと終わりもわかりにくいことがあります。

目に見えているものの「はじめと終わり」ってどういう意味?
例えば、シャンプーがあります。
「使う分だけを使えばいい」のですが、自閉症では「モノ(ごと)の終わり」がわからないので1回で全部使いきってしまうことがあります。
どこで終わりにしたらいいのかわからないのです。
物事の「はじまり」がわからないという例は以下のような感じです。
Bくんはプリンが大好きなのですが、ある日、その好物を目の前にして、なかなか食べようとしません。お腹がいっぱいというわけでないのに、どうしてだろう?と、皆、不思議に思いました。
その時、一人の先生がその理由をサッと見抜き、「Bくん、目をつむって」「フォークを刺して」「はい、食べて」と言ったのです。
すると不思議不思議、Bくんは待ってましたとばかりに、プリンを食べ始めたのです。
(「自閉症の特性理解と支援」、ぶどう社、藤岡宏著、p19,2より引用)
これは「食べて」という指示に反応してBくんはプリンを食べたのではないのです。
先生がしたのは「はじまりのきっかけへの誘導」の言葉かけです。
Bくんは「プリンをどこから食べたらいいのかわからなかった」ので戸惑っていたのです。

そんなばかなっ。
と思った人もいらしゃるかもしれません。
そうですね・・・迷路を想像してください。
プリン=迷路だと思ってください。
スプーンをおく場所=ハチ(=スタート地点=食べ始めはどこにしたらいいの?)

スタート地点が決まれば、迷路をスタート、「はじめることが」できるということね。
そゆことです。
「食べ始めがわからない」ということです。
この記事を読んでいる皆さんも、私と一緒に覚えてくださいね。
「どこから食べていいのかわからないよ」ということです。
でも、それを伝えることも難しかったりします。
はじまり(開始)は、お子さんにあったもので認識している場合があるようです。
筆者の場合は、「お風呂の始まり」を表すものは「絵カード」でも「言葉」でもなく。
「好きな入浴剤を選ぶ」=お風呂のはじまり
です。
これだと若干、条件づけも入っているかもしれません。
【②対応】目で見ているもの(物体)のはじめと終わりの理解の方法
⇒準備中です。
③自分が行動すること(活動)のはじめと終わり
自閉症では活動のはじめと終わりもわかりにくいです。
筆者は、本・専門家・自身の経験と元に記事を作成しております。
ですが、このへんも勉強不足なのでしばらくお待ちください。
【対応③】活動のはじめとおわりの理解の方法
別記事に書きます。
⇒(作成中です。)
④自分が存在しているところ(空間)のはじめと終わり
自閉症では空間の「はじめと終わり」がわかりにくいです。
空間は最も抽象度の高い世界です。
連続しているのですから、区切っていなければ「同一」と認識しても不思議はありません。
空間の認識はどちらかというと、感覚の処理の世界になってきます。
空間のはじまりと終わりがわからないとどのような行動が出てくるのでしょうか?
・コンビニのバックヤード、病院の会計の奥や、薬局の調剤室に勝手に入ろうとする
【④対応】自分が存在しているところ(空間)のはじめと終わりを理解の方法
空間の構造化が効果的だと言われています。
余談ですが、「パーテーション作ってみた」の記事のその後。
息子は、学習デスクでちゃんと勉強してくれるようになりました。
!(^^)!
(いつも使っているわけじゃなのですが)
感覚優位で混沌とした世界
感覚の処理が独特という世界に生きているのが自閉症です。
知覚処理も私たち定型発達とはちがっていますので、見えているものが定型発達と同じように見えているか?というとそのような時もありますし変わっていることもあります。
急に過去のできごとがフラッシュバックする
自閉症は忘れることがあまりできないといわれています。
人は忘れることで過去の辛いできごとも癒されていくわけです。
だから、日ぐすりという言葉すらあるのです。
俗にいう時間が解決してくれるというものですね。
ですが、自閉症では昔あったできごとやその時の感情も一緒に、記憶から引き出されて感情も思い起こしてしまうことがあります。
これはとても辛いことですね。
筆者は元パニック障害ですので辛さは他の方よりはわかると個人的には思っています。
PTSDも自閉症のフラッシュバックもパニック発作も、少しずつ違いますが、どれも似た性質を持っています。
パニック発作では、「あるきっかけ」によってその時の情動記憶が引っ張り出されてしまうのです。
「あの時と同じだ」と脳が認識することがきっかけになったりします。
自閉症に関わる人間は、できるだけ辛い記憶は作らないであげるようにしたいものです。
私たち定型発達は、忘れることができることに感謝しなけれななりませんね。
まとめ
けっこう、わからないことが多かったです。
ですが記事を書くと、「どこがわかってどこがわからないのか?」わかります。
自閉症の子どもの育児も「どこがわかっててどこをわからないのか?」
また、自閉症の親である私も「自閉症のどのへんが理解できていないのか」自分で記事を書きながら明確になりました。
やはり、自閉症を正しく理解するにあたって行動(目でわかる)部分の理解は難しいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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